東京台湾あっちこっち

東京にすむ30代半ば、台湾を好きになりいちから中国語。

お花畑から来た少年/花甲男孩轉大人

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2017年に台湾でヒットしたこのドラマ。台湾の人気ミュージシャン盧廣仲(クラウド・ルー)が主演しているこのドラマ。

以前ちょこっと感想を書いたけど、二回目を見たし、ちゃんと書いてみたいのです。

 

中国語のリスニングにもいいかなーーって中国ドラマや台湾ドラマをたまに見るのですが、どうも日本でみられるものは御曹司と頑張る健気な女の子の心ときめく恋!みたいなのが多くて、かといって字幕なしで理解できるはずもなくチョコチョコ見ては飽きてしまってやめる、という感じでした。

でもこのドラマ!沢山笑って、そんで沢山泣いて、あっという間に見てしまいました。あらすじとしては、大学を留年してばかりのダメーーな感じの主人公・花甲(盧廣仲)が大好きなおばあちゃんの危篤を期に実家へ戻る。そこに集まる情けない家族や親戚達、花甲とそれぞれの人の物語。

 

お金や地位に固執するおじさん、子供を亡くした悲しみから抜け出せず独りの世界にいるおじさん、結婚間近なのに怪しいいとこ、家出したままのお姉ちゃん、刑務所からでてきても家族が崩壊してもうだつのあがらないままのお父さん。そしてなにより花甲自身も何をしたいのか出来るのかすべきなのか全くわからない。

そんな、どーーーーっしようもない、情けない、愛おしい、家族のお話です。

1人も立派な人が出てこなくて、でもだからこそ胸を打つというか。全部が素晴らしいことも、悪いとこの一つもない人も、オールハッピーな人生もそんなものどこにもなくて、素敵な恋人とキッスをしたらハッピーエンドの世界もない。

てかむしろ、キッスしてからのほうがよっぽど大変じゃない?そこらへんディズニーよ、どう思う?美女よ、野獣よ、白雪姫よ、その後の人生どうだったんだい?みたいな私にはとってもとっても心震えるドラマでした。

 

涙の演技も何というか、綺麗じゃなくて。鼻水ダラダラ流していたりして。ちょっと引く位に。でも泣くと鼻水でるよなーーーって思いながら、しかしおめえ自業自得だ!だめ男め!でもな、完璧ではいられないもんな、とかおもったりして。

 

特に、びんろうショップをやっているお父さんとそこのセクシーな売り娘のステイシー姉さんとの愛憎入り混じった関係性は良かったです。あんなにときめきの無い、情けなくて笑っちゃって、寂しくて涙のでるキスシーンも珍しい。

どうしようもない男だって思って、何度もケンカして、それでも見捨てられなくて、そんな自分も悔しくて、、というステイシー姉さんは、綺麗で強くて情けなくて哀しい、素敵な人でした。

 

過去に起きたことや自分がしたことに向き合うのはものすごく難しくて、なかなかに人は逃げるし、それは生きる術だったりもしますが、どうにかこれからを生きていくために大事なものを大事に出来るように生きる人達は笑えて泣けました。

 

盧廣仲の演じる花甲もキュートにどうしようもなく、よれよれのTシャツにジャージが良く似合ってぐっとくるものがあります。随所に笑えるシーンも盛り込まれ、ファンタジーの匂いの漂うワンシーンも混ざって重くならずに見られるのも良いところです。

 

物語の舞台は台湾南部だそうで(撮影は台中なのかな?)台詞の多くは台湾語だそうですが、そこまでのリスニングは私にはちと難しかったです。でも危篤のおばあちゃんを家に迎え入れる作法や結婚式の様子、花甲の実家など、台湾の田舎ってこんな雰囲気なのかなあと感じることも出来ます。

 

盧廣仲の歌う主題歌も心に響きます。


金鐘52/感動!盧廣仲「魚仔」致敬電視人 豬哥亮再現大螢幕…|三立新聞網SETN.com

 

これ、映像の台湾芸能人の方々を存じ上げないのですが、この魚仔、とてもいい!

歌詞を和訳してくださっている方がいて、ようやく理解したのですが、本当に素敵な歌詞でした。

 

来月には台湾で映画版の上映がされるそうで、日本でもみたいなああ。

 

わたしはもともと家族や疑似家族、曖昧な関係性のお話が好きで、情けなくてかわいい人に心震えるたちなのでこのドラマ本当に面白かったです!

日本では今Netflixで配信されていますので、お時間あったらぜひ観てみてください!

ちなみに去年の日本ドラマではカルテットが大好きでありました!